ピアノアンサンブルの授業とは

本校には、ピアノ専攻、ピアノ・創作コース、ピアノ演奏家コース、作曲専攻、音楽総合コース(2年次より)のためにピアノアンサンブルという授業が用意されています。

ピアノアンサンブルでは連弾や2台ピアノを取り扱い、呼吸を合わせること、他人と音楽を創りあげることについて学ぶことができます。授業はグループレッスン形式で行われ、複数の教員がローテーションで指導を行います。様々な教えを受けることができることがピアノアンサンブルの魅力の一つです。
また、各種オーディション通過者や、試験での成績優秀者は、室内楽演奏会やピアノアンサンブル演奏会等に出演することができます。

今回の記事では、3年間、ピアノアンサンブルの授業で様々な苦楽をペアとして分かち合い、背負い合い、輝かしい友情と音楽を紡いだ二人をご紹介します。

本校の2021年度卒業生で、現在は東京音楽大学ピアノ演奏家コースに在籍している永谷彩織さんと、廣畑幸菜さんです。

二人はピアノアンサンブルでは勿論、日頃から大親友として行動を共にしていて、その絆は大変深きものでした。
特に3年生になってからの活躍は目覚ましく、4月に行われた新入生向けのピアノアンサンブル授業ガイダンスでの代表演奏や、7月の室内楽演奏会の出演、冬期講習会の受験生向け学校説明会での演奏、1月に行われたピアノアンサンブル演奏会の出演と大忙しな一年間でした。

そんな二人の書いた卒業文集をご覧ください。

「大切な時間」-永谷 彩織

高校生活の中で一番思い出深いのは、様々な楽器専攻の友達とアンサンブルしたことです。一緒に演奏することは本当に楽しくて沢山学ぶことがありました。二台ピアノでは、友達と時間を見つけては練習室を借りて沢山合わせをしました。一年生でペアを組んだ時から年々お互い演奏に対する真剣度が増していき練習の取り組み方も変わっていきました。三年生で出演した室内楽演奏会では、Aホールで大好きな曲を一緒に演奏することが出来てとても嬉しかったです。ホルントリオでは、苦手意識があったブラームスに最初は苦戦しましたが、三人で曲について話し合ったり練習を重ねていく内にどんどん好きになりました。やはり音楽は奥深い、最高!と実感しました。この三年間色々なことを経験し、少し成長出来たのかなと思います。お世話になった先生方・先輩方・友達みんな、そして両親にとても感謝しています。大学では努力を怠らず何事にも貪欲に挑戦していきたいです。

「卒業」-廣畑 幸菜

つい先日高校生になったばかりな気がします。思うようにピアノがうまく弾けないことや、周りとの差に焦ったり落ち込んだりしたこともあったけれど、楽しかったことばかりであっという間の三年間でした。
その中でも一番楽しかったことはピアノアンサンブルです。一人で演奏する機会の方が圧倒的に多かったので、人と合わせて演奏すること自体がとても新鮮でした。一緒に練習して、どうしたらもっと良くなるか話し合って演奏を二人で完成させていくのはとても充実した時間でした。学んだことも沢山あり、ペアを組んでくれた友達には、ありがとうをいくら伝えても足りないです。三年生の時に演奏会で演奏できたのはすごく嬉しかったし、思い出に残っています。
周りに音楽を好きな人や一緒に演奏できる人が当たり前にいる環境があることは決して当たり前のことではないと思うので、人との繋がりを大事にして、大学でも楽しみながら音楽を学んでいきたいです。

室内楽演奏会での演奏動画

二人ともそれぞれが書いた文集の内容については全く知らなかったそうで、蓋を開けてみてビックリ!相思相愛な卒業文集となりました。

本校では、ピアノアンサンブルに限らず、弦楽四重奏や木管五重奏、ピアノトリオなど、生徒たちが自主的にグループを組んで、積極的に音楽を学ぶことができます。自らの「やりたい!」という気持ちは、何にも代えがたい大切な要素です。自分の気持ちも音楽性も解放して、鍛錬を重ねる生徒たちは輝いています。

今回の記事では、そんな輝く生徒たちの学校生活の一部をご紹介しました。

それでは最後に、永谷さんと廣畑さんの演奏をお聴きください。
2021年7月17日(土)に行った室内楽演奏会での演奏です。

皆さんもこんな素敵なアンサンブルを東京音楽大学付属高等学校で体験しませんか?